原価管理ソフト導入時の注意点
原価管理ソフトを利用すれば、複雑な原価管理を楽にしてくれます。会社設立当初から利用する企業もあれば、段々と自己管理が難しくなり利用に踏み切るケースもあるでしょう。
では、原価管理ソフトを導入する際にはどのような注意点があるのでしょうか。
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欲しい帳票を作成できるかがポイント
数ある原価管理ソフトの中から、いったいどのソフトを選択すれば良いのか迷ってしまう人は多いでしょう。多くの機能性を持っていれば問題ないと思い、多機能なものを選ぶ人もいるのではないでしょうか。
しかし実際に導入するにあたり、気になるのはコストです。充実した機能性を持つ原価管理ソフトを使用できれば良いですが、あまりにも高額で不要な機能が付属しているものを導入するのは現実的ではありません。
では何を基準に選べば良いかと言うと「欲しい帳票を作成できるか」がポイントになってきます。今現在使用している、もしくは今後使用する予定の帳票を、きちんと作成して出力するところまでスムーズにできる原価管理ソフトであるか、それが重要です。
もしイメージしている帳票が出力できなければ、いくら機能性に優れているからと言っても利用する意味がありません。また、今現在使用している用紙と全く異なる仕様に、利用者側が合わせていくのは労力が必要です。同じ帳票もしくは類似したものを作成できる原価管理ソフトを選ぶようにすると、後が楽になりますし失敗も少ないです。
サポート体制が整っているソフトか
出力したい帳票を作成できる原価管理ソフトが多数ある場合、更にどのソフトを選べば良いか迷ってしまいます。ではサポート体制が整っている会社が作成したソフトかどうかを調べてはいかがでしょうか。
例えば利用開始時には、操作が複雑でなかなか軌道に乗らないというケースが想定されます。マニュアルを参照する場合も、分厚い冊子が附属している場合もあれば、最近ではオンラインマニュアルの場合も増えています。
電話でのサポートが可能な場合は、実際に利用者が操作する時間帯に電話受付してくれるのかなどもポイントです。また、ソフトの販売員もしくはSEが実際に足を運ぶサポート体制の会社もあります。
熟知した人がサポートしてくれると安心ですが、もし1回の訪問で多額の金額がかかる場合は、気軽に問い合わせることが躊躇われるかもしれません。料金体系はどのようになっているのかを事前に調べておくと安心です。
他にもリモートメンテナンスを行っている会社なども増えています。電話だけで話が通じるか心配といった人は有効活用できそうです。
企業規模に合ったソフトかを見極める
自身の企業規模に合ったソフトかどうかも重要なポイントです。希望の帳票が出力できて、導入時や運用時のサポート体制もしっかり整っていれば問題なさそうですが、更に今後自身の会社がどこまで成長するかも視野に入れると更に安心です。
もし、どんどん会社を大きくしていく意欲に燃えている場合や、人気が出てきて大きくなっている会社は、会社の成長に連れて原価管理ソフトのバージョンを上げられるかが注意点となります。
今現在の会社に合った最低限の機能のソフトを選択しても、そのソフトの上のバージョンが無ければ、会社が急成長した場合にまた新しく原価管理ソフトを探し直さなければなりません。それどころか、データの引き継ぎや導入にも再度時間がかかってしまいかねません。そういったことが無いよう、自身の企業の成長速度も視野に入れて選択しましょう。
安定した企業の場合も、今現在の帳票や管理体制が叶うソフトであるだけでなく、今後の展望に沿った利用方法ができるものを選ぶことがポイントです。そうすれば、より一層選択した原価管理ソフトの価値が高まります。
導入の際にどこまで対応してくれるか
サポート体制が整っていることが重要ですが、最も大変なのはソフトの導入時です。初めにどこまでサポートしてもらえるかが注意点となってきます。売り切りのソフトで、操作方法は電話対応してくれるという場合も多くありますが、そういった場合は企業側にきちんとパソコンや運用に詳しい人がいることが重要です。
もし熟知した人が居れば安心ですが、実際は居ないケースもあります。その場合、電話対応だけで本当に設定し、軌道に乗せるところまで設定できるのか、事前に社内で検討しておきましょう。
しっかり導入から運用までサポートしてくれるソフトも多くありますが、中には訪問回数によって追加料金がかかることもあるため、事前に確認しておくと安心です。
例えば、ソフト導入前に利用していたCSVファイルなどがある場合は、システムに読み込ませることができると早いです。設定時に膨大な量の入力が想定される企業の場合は、読み込みが可能な原価管理ソフトを選択するのも一つの手です。
定期的にアップデートされているソフトか
法改正に適時対応してアップデートされるソフトかという点も注意です。
例えば、元号や消費税改正などに即座に対応してくれる原価管理ソフトでないと、いずれ困る時が来るかもしれません。アップデート無しでも、手動で細かく変更できるシステムもありますが、その場合は法改正を随時確認しなければなりません。
もし操作する人が見落とした場合は大きな損失になってしまうことも考えられます。そのようなことが無いよう、定期的にアップデートされていると安心できます。
また、その更新方法はどのようなものがあるかも確認しておきましょう。インターネット経由で更新の場合、自動更新なのか、手動更新なのかも確認が必要です。
パソコンや企業側の事情で、インターネットに接続せずにパソコンを利用している場合もあります。今現在のパソコンの利用環境を把握しておくと更新方法が明らかです。
また、CDやDVDによる更新の場合は、自ら連絡しないと送付されてこないのか、それとも自動で送付されてくる契約が可能なのかも調べておくと良いです。さらに更新時にどのくらい原価管理ソフトの運用を止めなければならないかも確認しておくと安心です。
数分間ソフトを使用できない場合や、バックグラウンドで作業してくれる場合、パソコン未利用時に更新してくれる等、様々な方法があります。
ランニングコストはどのくらいかかるのか
最後に気になる点は、ランニングコストがどのくらいかかるのかと言う点です。初めはそこまで高いと感じなかったが、運用していくうちにランニングコストがかさんで負担になると、利用を継続できるか心配になる人もいるでしょう。
月額の利用料や、年額の利用料はどのくらいなのか、事前に算出しておくと安心です。また、アップデートの際やサポートを依頼した際の料金もまとめて確認しておくと、後から「こんなに高かったのか」と驚くこともありません。
他にもかかるコストとして考えられるのは、パソコンを入れ替えた際にシステムを移し替える費用です。もしそれが高額な場合は、今現在使用している年数の経ったパソコンにソフトを載せるのか、それとも新しいパソコンを購入して同時にソフトを載せるのかも検討しておくと無駄がなくなります。
その他、企業の成長に合わせてバージョンアップさせた場合のコストも事前に確認しておきましょう。今現在のランニングコストは安価だったとしても、バージョンアップした途端に数万円跳ね上がってしまうケースも考えられます。長い目で見て導入すると後々安心です。
帳票作成など機能性にこだわるのはもちろん大切ですが、その他サポート体制やランニングコストにも目を向けるとより原価管理ソフトを選びやすくなります。企業と利用者に合ったソフトを探し、スムーズな管理に役立てましょう。